【当たり前の排除】不入流神戸 講習で突きつけられた「業界のズレ」

皆さん、こんにちは。不入流神戸5番弟子のヨネイです。

本日3月8日、不入流神戸教室にて大津氏による講習が行われました。テーマは、氏が長年提唱し続けている**「当たり前の排除」**

非常に濃い内容でした。講習で語られた多岐にわたるトピックを網羅的にレポートします!

1. その「ワイシャツ」、プレスして大丈夫?

クリーニング店なら当たり前にある「ワイシャツ一律料金」。しかし、大津氏はそこに潜む事故のリスクを指摘します。

  • 高級シャツの罠: 木村拓哉氏が愛用して人気となった4万円以上するドレスシャツを、通常のワイシャツと同じようにプレス機にかけた結果、熱で表側のラベルが溶けてしまったという事例があります。

  • 「ワイシャツ」の再定義: 大津氏は以下の基準に当てはまるものは「ワイシャツ」ではなく「ドレスシャツ」として扱うべきだと提唱しています。
  • 裾が直線にカットされているもの
  • 胸ポケットに厚い刺繍があるもの
  • 袖にポケットがあるワークシャツなど
  • ボタンが2つ以上ない開襟シャツなど 機械で仕上げられないものを無理にラインに乗せない。

これがプロの最初の判断です。

. それは「サービス」か「器物破損」か

今回の講習で最も身が引き締まったのが、

  • 安全ピンの罪: ブランドラベルや裏地に安全ピンを直接刺してタグを付ける行為は、大津氏に言わせれば「器物破損」そのものです。実際に、背広の裏地にピンを刺したことで、弁護士事務所から「穴が開いている」と3着分の弁償を求められた事例も紹介されました。

  • ホッチキスのアリ地獄: 品質表示タグに直接ホッチキスでタグを留めるのも、お客さまからすれば「穴を開けてくれとは頼んでいない」というクレームの対象になります。
  • 名前の書き込み: ブランドロゴの入ったタグに直接名前を書くといった行為も、商品の価値を下げる行為です。

3. ポケット検品と「インク爆発」の恐怖

「受付でチェックしているはず」という思い込みは、工場の崩壊を招きます。

  • ボールペン一本の破壊力: 抜き忘れた一本のボールペンが洗いで「インク爆発」を起こせば、一緒に洗った全ての衣類を全滅させます。
  • 指先で確認する: 大津氏は「一点一点、指先で確実に中身を確認する当たり前の重要性」を強調していました。かつては学生服のポケットから1万円札が出てきたこともあるそうで、徹底した再検品こそが信頼を生みます。

4. 仕上げの「質」を標準化する

  • スラックスの折り目: 後ろのラインをどこまで入れるのか(ポケット下か、股下か)など、自社の明確な基準が必要です。
  • カラーキーパー(カラーステイ): ジョルジオ・アルマーニなどの高級シャツには金属製のステイが入っていることがあります。外さずにプレスすると「アタリ」が出てしまうため、必ず確認して外さなければなりません。

5. 「ノリ付け」と「価格設定」の新常識

お客さまにとっての「納得感」をどこに置くかという視点です。

  • ノリ付けの是非: 新品のシャツにはノリが付いていません。最近の世代はチクチク感を嫌いますし、高機能素材の良さを消してしまうこともあります。一人ひとりの好みに合わせる柔軟さが必要です。
  • 購入価格の「1割」: ユニクロのライトダウンに高い料金は払えません。大津氏は「購入価格の約1割」を一つの目安として、ユニクロなら500円程度で受けられるクイックコースの提案もしていました。

6. 個人情報の扱いをアップデートする

伝票の電話番号を店内に見えるように吊るすリスクや、USBメモリでの顧客データ持ち歩きは、現代では致命的な情報漏洩リスクです。昭和の感覚を捨て、仕組みをアップデートしなければなりません。

最後に

今日の大津氏の話を聞いて痛感したのは、

不入流で学ぶのは技術だけでなく、**「常に一歩外に出て、消費者目線で自分の作業を疑う」**という姿勢なのだと再確認しました。

【次期講習のお知らせ】 来期は**6月14日(日)**より全10回のコースが始まります。 現場の「当たり前」を排除し、本当のプロフェッショナルを目指したい方は、ぜひご参加ください!

大津氏、本日もガツンとくる講習をありがとうございました!

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不入流神戸5番弟子。不入流234番師範代。 株式会社キレイニ代表&職人。1976年生まれ。 姫路出身。 クリーニング師(国家資格)・TES(繊維製品品質管理士)・CA(クリーニングアドバイザー)の資格を持つ。異業種団体「CONNECT」に所属し姫路で2度ファションイベントの企画運営に加わる。 レザーウェアクリーニング全般を行うと共に、靴・バッグのクリーニング全般も行う。お客様のため、毎日『キレイ』を探求し続ける2児の父親。 趣味はランニング。第35回篠山フルマラソン完走。フットサルチーム@DIABOLA姫路の代表を10年続けて2013年引退。「不入流神戸ネット部長」という肩書もある。 http://www.kileini.com/

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